男性優位の世界において夢を見る余地はないｰｰ。若い売春婦であるイブは、今にも日々の生活でぼろぼろになってしまいそうであった。嫌悪感、麻薬、鬱積の渦に囚われ、破滅に向かっていた。ある夜、イブはバーで純粋な少女キミに出会うが、彼女は劣悪な売春仲介グループに狙われていた。イブはキミを助け出し、廃屋となったアパートに連れて行く。不運な出来事の連鎖が始まる。人は記憶をスコップでは壊せないことを知ることとなる。
第19回ハンブルク日本映画祭にて、佐々木勝己監督は「骸-MUKURO-」で喝采を博したが、今回意欲的な作品「星に願いを」と共にハンブルクへ帰ってきた。男性社会での犠牲と記憶の大きな力を描いた心揺さぶるドラマを作り出す。主演の兼田いぶきは、文字通り身体で魂を演じており、作品を支えている。特に際立っているのが、土肥良成によるリアルな特殊造形や特殊メイクである。
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