雲と空の絵を描き、何の変化もない庭を眺め、一人でアイスクリームを食べる少女は喪服を着ているお婆さんと出会った。一人が庭で蟻の巣を探して、一人が柵の外に座って蜜柑を食べて、背中合わせで、二人は各自の孤独、暇から生じるつらさを話しあった。二日間の話し合いに伴い、少女は今まで気づかなかった出口のない小さな痛みを意識し始め、雨の午後、熟睡している父親に挨拶して出かけた少女は、ギャラリーでお婆さんと三回目の再会をした。
家に帰り、何か変わったけど、何も変わらない暇な日常に戻る少女は、縁側で灰色の空を眺める。