現代の東京。銀行員のヨウスケは30歳の誕生日に、全く見覚えない容疑で逮捕された。突然のことに戸惑いながらも裁判所へ向かったヨウスケは裁判官と対面し、彼に弁解する。しかし話が噛み合わないまま、開廷してしまう。身に覚えのない突然の逮捕によって、次第に追い詰められていくヨウスケ。無実を求めれば求めるほど、身動きが取れなくなっていく。ここから抜け出す方法はあるのか?彼は出口のない道に迷い込んでしまったのだろうか?
この映画の原作は、フランツ・カフカによる「審判」である。毎日「起き、出社し、帰宅し、就寝する。」変わりばえしない日々に、突然「逮捕」という非日常的な事が身に起こることで、自身の毎日について熟考するようになる主人公。監督は、2019年現在世界の至る所で、ほとんどの人が気にもとめない、しかし巨大な「何か」が削ぎ取られつつあるのではないか、と疑問視する。この映画がその「何か」を考える一歩になれば、この世界は少しずつ変わっていくに違いない。
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